大賞
該当なし
金賞
学年一の金髪碧眼美少女に勉強を教しえることをきっかけに距離が縮まる恋愛
煙雨
勉強を通じて距離を縮めていく、甘酸っぱく王道な青春ストーリーです。【鉄壁】と称されるほどに男の子を拒む女の子から信頼され、放課後の図書館で勉強を教えるというシチュエーションで、教室とは違った表情を見せるヒロインの可愛らしさが存分に描写されています。書籍化をするにあたって応募作のその先を描いていただけると思いますが、勉強を教え、教えられる関係から二人がどう発展していくのか、非常に楽しみです。
銀賞
公爵令嬢はミステリーがお好き
古城家康
コミカライズ賞(ANIMAXコミックス)
悪役令嬢の遺言状
巻村螢
諏訪道彦氏
考えうる最悪の状態から、徐々に状況が好転していくよくあるパターンです。ですが、その最悪の状況設定がよく練り込まれていて好感が持てます。そしてそれらを見つめていく言わば主人公が取材していく記者なのが、読者と並走して物語の真実を追い求めていくのにはとても自然に描かれていく要因となってます。そして遺言状を出した本人に関わるもうひとりの人物の正体も、読後感の良さにつながっている。この本はミステリー的な定番な手法を使いながらも、まさに読者の気持ちを昂らせ、そのストーリーに上手く巻き込めていけた良きお手本だと思いました。
成毛克憲氏
結婚式当日に婚約者である王子に逃げられ自殺してしまった悪役令嬢の莫大な遺産を巡るミステリー作品。莫大な遺産がもらえるのは令嬢と婚姻関係にあるもので婚姻に必要な印章探しが始まり、真実が明らかになっていく物語。 全員の嘘が徐々に明らかになっていく展開がとても軽妙で面白く、短編ミステリーを楽しみたい読者にはちょうど良い分量の小説ではないかと思います。
ガチャ勇者のストーリークエスト!!
~勇者のスキルとして与えられた『ガチャ』の確率がシブ過ぎるんですけど、何とかなりませんかね?~
ヤミマル
諏訪道彦氏
新たな展開を求めて主人公たちが行動するために、必要な武器や防具がすべて設定されてるガチャで手に入るという点がユニークなストーリー。クエストをこなしていくごとに主人公のステイタスも上昇し、主人公たちの行動範囲も広がっていくパターン。そのガチャによって手に入るアイテムは、必ずしも欲しいものばかりが手に入るわけではなく、さらには生活するのに必要な生活用品やお菓子的なものだったりしてます。ストーリー上必要な展開が主人公ならずともうまくいかなく、読者としても少しイライラしてしまいます。ですがそれも含めて作者のガチャ意図に委ねられているのが、不快ではないのが文章力だったりするのでしょう。
成毛克憲氏
装備や食材などのアイテムを手に入れることができるガチャマスターのスキルを持ち、異世界の勇者となった主人公の物語。 始めはガチャスキルを試しながらのんびりと異世界ライフを送るも次第に規模が拡大し、国や世界を救う展開は運びのテンポが上手く、読み手としてぐいぐい引き込まれました。 勇者がガチャ能力で仲間を増やしたり世界を救ったり、また、異世界×現代のアイテムはコミックによる描写で更に面白さが伝わると思います。
公爵令嬢はミステリーがお好き
古城家康
諏訪道彦氏
ミステリー〜1作目は朦朧とした犯人を追い詰めていた、という結果はもう一つ。ですが、謎を解いていく道筋はいなかなか密な理詰めで良い。そして続いての主人公クリスティアが犯人となってしまう殺人事件。正直言って本筋の謎解きは、そこへ行き着くまでのキャラクター遊びと言えるものが多すぎるきらいもあるけど、逆に表現されるキャラクターが重なって人物像が浮かび上がってくるとも言える。それを作者は読者と共に楽しんでいくという、ちょっと新しいミステリーと言えますね。真実が新しい登場キャラクターと共にあらわになっていく過程にはゾクゾクさせられました。
成毛克憲氏
第1章までは異世界感が然程なく、シャーロックホームズの少女版と見まがうほどのミステリー小説が第2章からは転生者が現れ、また、主人公の令嬢も実は転生者であり、この世界が乙女ゲームの中であることが判明した時は驚愕しました。 悪役令嬢モノの人気は未だ衰え知らずですが、本作の異世界×シャーロックホームズ×悪役令嬢の組み合わせは新ジャンルの誕生と言っても過言ではないくらい傑作でした。